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2021年11月27日

これからの時代に必要な「ミッション・ビジョン・バリュー」とは?

株式会社食農夢創 代表取締役 仲野 真人

 今年度、農林水産省の「地域の女性グループ研修」において、全国各地の女性グループに対して講師をしている。
 研修は全4回(2回目と4回目はフォローアップ)であり、1回目は「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」の設定を共通カリキュラムにしており、研修を通して筆者は改めてMVVの必要性を再認識した。今回はMVVの考え方や必要性について触れたい。

そもそもMVVとは?

 MVVについては参考書やインターネットで調べても様々な定義が示されているが、ここでは「ミッション=存在意義」「ビジョン=なりたい姿」「バリュー=価値観・行動指針」と定義する。

 より具体的に説明すると「ミッション」は「存在意義=なぜ我々は存在するのか?」、「バリュー」は「なりたい姿=3~5年後に目指す姿」、最後の「バリュー」は「価値観・行動指針=ミッション・ビジョンを実現するためにどんな価値観を大切にするか?」となる。例えば「あなた方は何をする組織ですか?」と聞かれた際に「我々は○○を実現する組織です(ミッション)。具体的には今後3年~5年で△△を目指します(ビジョン)。その実現のために□□という価値観を社内で大切にしていきます(バリュー)。」と考えるとわかりやすいかもしれない。

図表 ミッション・ビジョン・バリューの考え方

なぜMVVが必要なのか?

 MVVを設定するメリットは①目指したい道が明確になる、②全員の行動性に一貫性がでる、③周囲の人に伝えやすい、④同じ想いの人が集まってくるの4点であり、順を追って説明する。

 まず「我々は何を実現する組織なのか?(①)」ということを定義することによって、メンバーやステークホルダーに目指すべき方向性を明確にすることができる。すると、「メンバーも同じ方向(ベクトル)を向くようになる(②)」。例えば、「お米を売ってきてください」とだけ伝えると、高く売ろうとする人もいれば、安く大量に売ろうとする人も出てくる。みんな「組織のため」に動いたとしてもバラバラに行動してしまう可能性がある。MVVを定めることによって「どのように売るのがよいのか?」という方向性が定まることで一貫性が出てくるのである。

 また、MVVがあると、外部に対しても「我々は何をする組織なのかを説明しやすくなる(③)」。企業などをネット等で調べた際に、HPや新聞、記事でバラバラなことが書いてあり、結局「この組織は何をしたいのだろう?」を感じたことはないだろうか?せっかく素晴らしい活動をしているのに、それをきちんと伝えられなかったら機会損失になってしまう。逆にMVVを定義し公表することで、新聞や記事なども統一されるので周囲の人に伝えやすくなる。そして、その新聞や記事などを読んだ人が「この組織はこういうことを目指しているのか、私も一緒にやりたい!」と「同じ想いの人が集まってくる(④)」のである。

これからの時代に必要なMVVの考え方

 本稿で最も伝えたいことが、タイトルにもなっている「これからの時代に必要な」という部分である。MVVを設定する際、最も優先して欲しいことは「我々(自分達)がどんなことを実現したいか」である。その一方で、昨今は「SDGs」や「社会課題の解決」などのテーマが注目される時代である。そのため、「自分達がMVVを実現することによって、社会や地域にどんな貢献ができるだろう?」ということを「確認」してみて欲しい。
 その際に重要なのが「解決」ではなく「貢献」するということである。『社会課題を「解決」する』というとハードルが高くなってしまうが、実際に生産者が自分達だけで社会課題を解決することは現実的に難しい。しかし、自分達が活動することで、例えば耕作放棄地を少しでも再生できる、移住者を受け入れることで1軒でも空き家を少なくできる、私達が活動することで地域を元気にできるなど、少しでも社会や地域に貢献することができれば、それは十分に価値があると言えるのではないだろうか。

MVVはどんな組織にも必要

 最後に、本稿ではあえて「組織」という言葉を使っている。それは、MVVが企業(法人)だけでなくグループや家族経営にとっても同様に必要だからである。「家族経営だからMVVが必要ない」という人がいるが、少なからず頭の中には「目標」や「夢」があるはずである。是非、改めてMVVとして言語化することによって家・組織内で共有して欲しい。

図表 食農夢創のミッション・ビジョン・バリュー

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